乳牛をメインに扱う産業動物獣医師であれば、蹄病はよく遭遇する疾病の一つである。

特につなぎ牛舎で飼養されている牛の蹄は非常に硬く、よく切れる削蹄鎌でなければ削蹄が困難である。

切れない削蹄鎌で削蹄を行うと、余計な力が必要になり、病変部に力が加わって、牛が痛がり暴れて怪我するリスクも上がってしまう。

ところが、獣医師で上手に鎌が研げるという人は少ないように感じる。

砥石で研ぐ方法もあるが、一度切れなくなってしまった鎌や新しく新調した鎌を砥石で研ぐのは難しいと感じる。

その点、変速ディスクグラインダーを使って研げば、慣れていなくても簡単に研ぐことができる。

私が普段ディスクグラインダーで削蹄鎌を研ぐのに必要なものとその方法を紹介する。

ディスクグラインダーで削蹄鎌を研ぐのに必要なもの

まず自分が普段使用しているものを紹介しようと思う。

  • 変速式ディスクグラインダー(HiKOKI ハイコーキ G10VE2)
  • 荒削り用のディスク(SK11 エスケー11 #120)
  • スポンジ状弾性砥石ディスク(ハイラップM 金属用 #120)
  • フェルトディスク
  • 青棒 赤棒 白棒

これだけあれば十分研ぐことができる。

変速式ディスクグラインダーは削蹄用に使用しているものを流用しているので、鎌を研ぐために別に必要なものも数千円もあれば揃えることができる。

変速式ディスクグラインダー(HiKOKI ハイコーキ G10VE2)

自分はこの変速ディスクグラインダーを愛用しているが、少し高価なので、安価な変速ディスクグラインダーでも十分使用できる。

回転数は最低でも5000回転程度まで下げることのできるグラインダーが良い。

削蹄で使用しているグラインダーを獣医師におすすめの削蹄用グラインダーは変速式グラインダーに限る!』で紹介しています。

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荒削り用のディスク(SK11 エスケー11 #120)

荒削り用のディスクで金属用のもので#120のものを使用している。

#24や#36などもっと粗いものを使用している人もいるらしいが、自分の体感としては#120で十分に感じる。

スポンジ状弾性砥石ディスク(ハイラップM 金属用 #120)

荒削り後に使用する砥石で赤棒を付けて使用すると、傷がしっとりと消えてツルツルになってくる。

意外とホームセンターには売ってないので、ネットで買うのをおすすめする。

フェルトディスク

最後の仕上げで白棒もしくは青棒を付けて使用することで、鏡面磨きのような美しい仕上がりになる。

 

赤棒 白棒 青棒

聞き慣れない人もいるかもしれないが、金属などの研磨に使われる研磨剤で、赤棒(粗)、白棒(中)、青棒(仕上げ)の順に荒さが異なっている。

ホームセンターなどでは一本ずつ購入するそれなりの値段になるので、セットのものをネットで購入するのが良いと思う。

ディスクグラインダーで削蹄鎌を研ぐ方法とポイント

非常にわかりやすい動画がYouTubeにアップロードされていたので、こちらの動画を参考にしてもらいたい。

初心者がやる時に気を付けるポイントをいくつか紹介したいと思う。

グラインダーの回転数は一番遅くするのが良い

グラインダーの回転数を上げると摩擦熱で刃焼けしてなまくらになってしまう。

慣れないうちは、一番回転数を下げて使用することで刃が焼けるリスクを減らすことができる。

荒削り時には、こまめ(1往復くらいで)に冷水に付けて熱を冷ますようにする。

スポンジ状弾性砥石とフェルトディスクは水に濡らさない

荒削りのディスクは刃が水に濡れたまま使用しても良いが、他のディスクを使用する際には水分は厳禁!

鎌を乾いたタオルで拭いてから使用しないと研磨できなくなってしまうので注意する。

怪我はしないように手袋とディスクの回転方向には注意すること

ディスクグラインダーは便利だが、危険も伴います。

怪我防止のために手袋をするのをおすすめします。

またディスクの9時〜10時の辺りで必ず削るようにしてください。

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とんち
当ブログを運営・管理している”とんち”です。 現在、北海道で産業動物臨床獣医師として働きながら、ブログを書いています。 詳しくは、『【プロフィール】なぜ産業動物獣医師である私がブログを書いているのか?』をご覧ください。