大学を卒業してからしばらく経ち、久しぶりに大学の友人と会い、他愛のない話をする中で、最も話に上がるのが”仕事どんな感じなの?”という話題です。
話をしていると、
- もうすでに大学を卒業してから1年も経っていない間に転職をしている
- もう今年いっぱいで辞めようと考えてる
- 将来どうしようか悩んでいる
という人も結構います。
そこで今回は
- 新人獣医師が仕事を辞めようと考えるタイミング
- 新人獣医師が仕事を辞める理由
について、お話ししたいと思います。
現在、私は北海道で産業動物獣医師として働いています。
詳しくは、『【プロフィール】就職で北海道に!とんでもない田舎だった…』をお読みください。
新人獣医師が仕事を辞めようと考えるタイミング
獣医師といっても、職種も様々なので、今回は大動物臨床獣医師のお話をしたいと思います。
大動物臨床獣医師の離職率は3年で3割、5年で5割
大動物臨床獣医師の場合、相当職場環境に合わない場合を除いて、1年目に仕事を辞めるという人はそれほどいません。
NOSAIや動物病院に勤めている獣医師で辞めるタイミングとして多いのが、3年目と5年目です。
よく3年で3割、5年で5割と耳にします。
小動物臨床獣医師の場合、さらに転職率は高く、1年も経たないうちに辞めるということも別に珍しいことではないです。
それに比べれば、産業動物獣医師は小動物臨床獣医師より長く仕事を続ける人が多いですね。
10年以上勤務し、結婚していればほとんど辞めない
産業動物獣医師は5年で半分の人が辞めてしまうのですが、10年以上仕事を続けており、結婚している人で辞める人はほとんどいません。
さらに、子供がいるなら尚更辞める人は少ないです。
産業動物臨床獣医師の離職率は3年で3割、5年で5割、10年以上勤めているとほとんど辞めない
多くの新人獣医師が仕事を辞めてしまう理由とは?
産業動物獣医師の離職率は3年で3割、5年で5割とのことですが、どうして3年目や5年目で多くの新人獣医師が仕事を辞めてしまうのでしょうか?
女性獣医師は結婚を機に仕事を辞める人が非常に多い
今日では獣医学科の男女比は、若干女性の方が多いです。
以前までは男性の職場と言わざるを得ない産業動物獣医師の世界でしたが、新卒の半分は女性獣医師という現状です。
ストレートに大学を卒業したとしても、獣医学科は6年間あるので、就職してしばらくするとすぐに30歳に近くなります。
30歳に近づくにつれ、もちろん結婚をする人も増えていくので、獣医師として、3年〜5年程度経った時に結婚をし、結婚を機に寿退職する人が多いです。
このようなことも3年目や5年目で離職率が高い理由なのかもしれません。
どこの診療所もあまり人数に余裕がない状態なので、産休や育休をまだまだ取りにくいというのが結婚後に離職をする一因なのかもしれません。
男性獣医師は安定よりも変化を求める人が多い
20年前や30年前であれば、獣医師に限らず、終身雇用で定年になるまで勤め上げるというパターンが一般的でした。
今では獣医師も転職する人が多くなってきています。
そして、その節目として3年間や5年間仕事をすれば、ある程度のスキルと経験が得られるので、3年目や5年目で退職するという人が多いです。
一方で、女性とは異なり、男性の場合は結婚を機に退職するという人は少ないと思います。
また同業種に転職する人もいれば、全く異なる興味のある分野に行ったり、はたまた仕事をしばらく休んで他のことにチャレンジしようとする人も多い印象です。
ちょっと仕事を休んで人生を考える時間が欲しい
私の場合は、仕事を休んで、人生について考える時間が欲しいと感じています。
中高大を卒業して、就職して働いて、エスカレーター式に進んでいくと、ふと立ち止まって人生について考える時間がないように感じています。
獣医師の仕事は正直楽ではありませんが、仕事自体はやりがいがあり、楽しいです。
でも時折、これから先のことを考えていくと、”このままでいいんだろうか?””若いうちにしかできないことがもっとあるんじゃないか?”と考えてしまうことがあります。
仕事を続けているとどんだけ長く休みを取れても1週間が限度で、また日常に忙殺されてしまい、本当に自分の人生と向き合えているのかと感じてしまうことがあります。
私がそう感じているだけかもしれませんが、他の新人獣医師と話しているとそのように感じている人も多いのではないかと内心思っています。
どれくらい仕事を続けるかは個人の価値観と人生観次第
結局、どの程度仕事を続けるかは、それぞれの価値観や人生観次第だと思います。
少なくとも産業動物獣医師の場合は、3年で3割、5年で5割辞めます。
そしていざ、就職して働きだすと、なかなか考えたりする時間や余裕もなくなります。
ですから、就職する際には、人生における、その仕事への向き合い方も考えて置いた方が多いと思います。
以上、参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。