獣医師になってから早いもので1年が経過しました。
この1年間を振り返ってみると、本当にあっという間だったと感じます。
そして、この春からは新たに後輩でき、獣医師としての1年目を終えたという実感も湧いてきました。
獣医師の1年目というのは、毎日目まぐるしく、これまで経験したことのない1年だったということは間違いありません。
今回は、そんな1年を振り返ってみました。
この記事を読むことで、
- 実際に獣医師なったらどんな感じなの?
- 研修医期間はどんな感じ?
- 獣医師1年目ってどんな感じなの?
ということがわかります。
ぜひ最後までお読みください。
現在、私は産業動物獣医師として働いております。
詳しくは、『【プロフィール】就職で北海道に!とんでもない田舎だった…』をお読みください。
新社会人になり、4月から6月はとにかく仕事が辛かった
2月の獣医師国家試験が終わってからというもの、とにかく遊び呆ける毎日でした。
そんな怠けきった状態でいきなり4月から社会に放り出され、仕事をするというのはとてもしんどかったです。
初出勤の日には、『こんなの無理!仕事辞めたい!ニートがいい!』と通勤の最中に本気で思いました。(笑)
獣医師としては研修医期間で日々勉強!
獣医師としては研修期間であり、先輩の診療に一緒について行くという期間でした。
獣医師と言えども、ただ獣医師免許を持っているような状態で、最初のうちは本当に何もわかりませんでした。
薬の名前も商品名から一つ一つ覚えなければなりませんし、薬の投与方法、投与量なども全くわかりませんでした。
先輩がやっているように見様見真似で診療もやってみます。
自分でも、”こんなこともわからないのか”と思うほど、何にも分かっていませんでした。
そんな毎日が続くので、精神的にも肉体的にも一番キツい時期だったと思います。
しかし、結局勉強するしかありません。
この研修期間は勉強の毎日でした。
勤務中にあまり勉強できる時間もできなかったので、家に帰ってから調べたりすることもありましたが、疲れて寝てしまうことも多かったです。
7月頃から慣れ始めて、仕事がだんだん楽しくなる
慣れというのは凄いもので、最初はあれだけしんどく感じた仕事も少しずつ楽しく感じるようになりました。
人間、見ず知らずの環境に身を投じるということは、それだけでストレスに感じるのものだと身をもって知りました。
獣医師としては徐々に独り立ちをし、先輩獣医師の凄さを実感する
研修期間も終わり、徐々に1人で往診にいくようになりました。
俗にいう、独り立ちというものです。
最初のうちは、不安な気持ちでいっぱいです。
『治療して悪くなったらどうしよう』
『ちゃんと診断できているんだろうか?』
などとにかく不安でいっぱいです。
それでも診断して治療しなければなりません。
少し治療するのにも手際の悪さが目立ちます。
『なんでこんな簡単なことができないんだ』
と思いながら、改めて先輩の凄さを実感します。
でも1人で往診を行くと、気を抜ける時間もできます。
ずっと先輩と一緒に往診していると、気を抜く時間はありません。
独り立ちすると、1人の時間ができるので上手く気を抜ける時間もできるようになります。
そうしていくと、しんどいだけでなく、だんだんと楽しく仕事ができるようになってきました。
9月頃から初めての夜間当番!急患の着信音に震える
独り立ちもし、往診にも慣れ始めた頃、いよいよ夜間当番が始まります。
夜間当番は、急患で呼ばれるため、多くが急を要するものばかりです。
例えば、乳熱、難産、子宮捻転、子宮脱などで呼ばれることが多いです。
夜間当番の際には、診療用の携帯に往診依頼がかかってくるため、反射的に携帯の着信音にびっくりします(笑)
夜間当番で呼ばれた際には、向かうまでの間、〇〇だったらどうしようなど最悪の事態も考えながら往診に向かい、どうってことないこともあれば、大変なこともあったりします。
初めて当たる症例もあるので、ぶっつけ本番ということも少なくありません。
でも慣れてしまえば、夜間当番自体はどうってことはありません。
むしろ個人的には夜間往診は好きです。
11月からは初めての雪道運転、交通事故にも注意
北海道では11月から雪が降り始め、とにかく道は滑るし、雪が積もった日には嵌まりそうになるし、吹雪いた日には前が全く見えないなんて日もあります。
3月までの冬の間は、とにかく往診が大変で交通事故にも注意しなければいけません。
北海道では夏場は鹿などの動物にも気を付けなければいけませんが、冬場の雪道もとても気を付けなければいけません。
ふと気を抜いて運転していると、ついスピードが出てしまい、警察に・・・なんてこともあるので、結局安全運転するに越したことはないです。
ちなみに、新人獣医師が事故することが多いのは事実です・・・。
冬は診療車に載せている輸液や薬液が凍ることも
真冬の北海道では、時にマイナス30度を超える日もあります。
車に載せている輸液や薬液もマイナス10度を超えてくると凍り出します。
往診中は寒すぎて、手先の感覚がなくなることも少なくありません。
そんな時は、直検でお尻に手を入れると温まります。(笑)
診療以外の仕事も少しずつ任されるようになる
獣医師の仕事は診療だけでなく、診療に必要な薬品を管理したり、ワクチン接種なども仕事の一つです。
だんだんと診療だけでなく、診療するために必要な仕事や、そのほかの細々とした仕事も少しずつ増えてきます。
さらに任される診療の量も増えるので、少しずつ忙しくなることが多いです。
新人獣医師は辛いこともあるけど楽しいこともある
私の場合、今の仕事はやりがいがあり、充実感を感じています。
一方で、全てが楽しいというわけではなく、時に嫌なこともあります。
正直、新人というだけで、理不尽なことを言われることもあります。
やってられないと思うこともありますが、そのような経験はどんな獣医師もしていると思います。
もし何か言われたとしても、全く気にする必要はないと思います。
1年目は慣れないことばかりで大変な毎日だと思いますが、もしこれから1年目を迎えるという先生は挫けずに気長にやっていけば良いと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。