獣医学生も5・6年生になるといよいよ就活のために実習や研修に行ったり、大学でもポリクリなどの臨床実習を受ける機会も増えることと思います。
また4年生以下の獣医学生の方でも、実際に獣医師がどのような仕事をしているのか知りたいという人は動物病院やNOSAI、公務員などさまざまな実習に参加されることと思います。
私自身、初めて臨床実習に参加したのは4年生の夏でしたが、不安や緊張がありました。
そこで今回は産業動物臨床獣医師である私が、
- 獣医学生が実習中に気を付ける3つのこと
について紹介し、少しでも実習に対する不安や緊張解けた状態で、臨床実習に参加してもらえればと思います。
臨床実習の注意点①:畜主(農家)に元気よく挨拶と自己紹介をする
元気よく挨拶さえできれば、もう十分だと思います。
産業動物臨床の場合、これさえ出来ていれば、先生も安心して連れていくことができると思います。
農家に着き、農家さんと思われる人がいたら、元気よく『おはようございます!〇〇大学の○年の〇〇です!よろしくお願いします!』と挨拶と自己紹介をしましょう。
そうすると農家さんも『よく来たね。どこ出身なの?就職はもうここだね!』などいろいろと会話が広げてくれると思います。
中にはコミュニケーションが苦手な農家さんもいますが、そこは気にせず、元気よく挨拶と自己紹介していれば決して嫌な顔はされません。
特に細かいことは気にせず、ハキハキと挨拶しましょう!
パッと見怖そうなおっちゃんであっても優しいので、元気よく挨拶しましょう!(笑)
臨床実習の注意点②:安全第一、怪我や事故はしないように
実習中に最も怪我しやすいのは、往診随行しているとき、特に牛舎内では危険が伴います。
牛舎内では、足場が悪かったり、天井が低かったり、牛がびっくりして蹴って来たり、踏まれたり、いろいろな危険が伴います。
気をつけることはわかったけど、実際どのように気を付ければ良いのかわからないという人がほとんどだと思います。
そこで最もおすすめなのは、牛舎内では畜主(農家)の後ろ、もしくは獣医師の後ろを歩くということです。
そうすることで安全に実習を行えるだけでなく、うっかり汚い長靴で飼槽を歩いてしまうなどということも避けられます。
実習中は無理したり、慌てたりすることなく、安全第一で臨みましょう!
臨床実習の注意点③:細かいことは気にするな、とにかく楽しめ!
おそらく初めて臨床実習に参加した際にはわからないことだらけで、もう何が何だかさっぱりわからないことも多いと思います。
実際に私の場合もそうでした。
- 薬液を注射器に吸うのもよくわからない
- 筋注もどうやって打てば良いのかわからない
- 静注なんてどれが血管なのかわからない(筋肉めちゃくちゃ刺してたり(牛さんごめんなさい))
- 聴診器なんて当てたことないから聴診していいよって言われてもどうしていいかわからない
- 直検なんておしりに手入れても何もわからない
- 牛の疾病名なんてなんとなく聞いたことあるくらいで全然覚えてない
こんな状態で実習に参加していました。
中にはよくできる人もいると思いますが、ほとんどの人はこのような感じだと思います。
厳しい先生にあたると、そんなこともわかっていないのか的な感じで言われるかもしれませんが、どんなベテランの先生でも最初はこんなはずだったに違いありません!(笑)
もし農家にちょっとからかわれたりしても、そんなこと気にしなくていいです!
わからないからと言って決してネガティブになる必要はなく、どうやってやるんだろう?不思議だな!もっと知りたいな!こんな風に考えて、とにかく実習を楽しんでください。
動物病院やNOSAIでの実習はとにかく楽しんで、就職など将来の進路に役立てよう
ここまで実習中に気を付けることとして3つ紹介してきましたが、とにかく実習は怪我のないようにたくさんコミュニケーションを取りながら楽しんでください!
獣医師の多くが一度実習に足を運んだところに就職するということが非常に多いです。
実習をとにかく楽しんで、将来の進路の一つとして考えてみてください。
現場の獣医師は、たくさんの獣医学生が興味を持って実習に来てくれることを心待ちにしています。
現在、コロナウイルスのため、獣医学生の病院実習やNOSAI実習の日程は調節されているところが多い
現在、緊急事態宣言や蔓延防止措置法に伴い、獣医学生の実習に関しても、中止もしくは延期されています。
NOSAI実習に関する情報に関しては、『産業動物臨床 獣医学生応援プロジェクト(外部リンク)』やその他各大学の実習関連の情報をチェックしてみてください。
北海道の家保での実習に関する情報に関しては、『北海道家畜保健衛生所インターンシップ(獣医学生実務研修 )(外部リンク)』やその他各大学の実習関連の情報をチェックしてみてください。
今はこのような状況で実習参加が困難ですが、もし気になる場所や職域があるのなら、気負うことなく実習に参加してみてください
ここまでお読みいただき有り難うございました。