就職・進学

【就職活動】産業動物臨床獣医師なら開業かNOSAIどちらが良いか?【獣医学生】

獣医学生が就職先について真剣に考えだすのは、5年生くらいからだと思います。

ほとんどの方が5年生までに、一度は動物病院やNOSAIなどに実習に行くことと思います。

そして、産業動物に従事したいという場合には、早ければ6年生の春頃から遅くとも夏が終わる頃には就職先の内定を受けていると思います。

そこで今回はそろそろ来年度の就職を見据えて、就職先を検討されるであろう5年生、6年生に向けて、産業動物臨床獣医師なら開業かNOSAIかどちらがおすすめか、それぞれのメリット・デメリットを考えて紹介したいと思います。

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新人獣医師なら開業よりNOSAIの方がおすすめ

メリット①:多くの先輩がおり、様々な診療を知れる

まずNOSAIであれば、同じ診療所に多くの先輩がいるため、往診随行している際にはさまざまな診療法・治療法を知ることができます。

また他の地域の診療所にいく機会があれば、そこでも普段とは違う診療スタイルを知ることができると思います。

同じ先輩ばかりに診療を教えてもらうと、治療の幅があまり広がらないように感じます。

獣医や地域が変われば、治療方針も異なることが多いので、新人の頃は多くを知るためにもNOSAIの方がオススメなように感じます。

メリット②:研修が充実しており、同期との繋がりもできる

やはり開業よりNOSAIの方が、研修制度が充実しているように感じます。

研修が充実しているだけでなく、そこで知り合える同期もおり、先輩にはちょっと聞きづらいようなことも同期には気軽に聞けたり、話し合ったりできるのも良いところだと思います。

メリット③:人数が多いので、休みを取りやすい

診療所の人数によっても変わりますが、基本的に人数が多ければ、割と休みが取りやすいように思います。

夜間当番も人数のいる診療所の方が、回数が少なく、無理なくスケジュールを立てられると思います。

就職して感じるのは、学生の頃のように気軽に友人に会ったりすることが難しいので、やはり連休などの休みが取りやすい方がプライベートも充実すると感じています。

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デメリット①:診療スタイルは診療班である程度揃えないといけない

NOSAIという組織人であれば、同じ診療班であれば、ある程度同じ診療スタイルで診療しなければ、農家からのクレームにも繋がりかねないと思います。

産業動物の場合、廃用(淘汰=安楽殺)にしなければならないケースもあり、廃用認定を行うのはNOSAI獣医師の仕事です。

特にその廃用基準が人によってバラバラであれば、あの先生はすぐに廃用にしてくれたのに、あの先生は廃用にしてくれないなどといったことにもなりかねないため、やはりそういった治療方針などはある程度同じ診療班で統一しておかなければならないように感じます。

デメリット②:他の診療所への転勤がある

NOSAIでは就職先の県や地区は決めることができますが、その区域内の診療所で転勤があります。

よほどの理由がない限り、一度も転勤がないという事はありません。

こればかりは避けることができないので、長く勤める場合には必ず転勤があるという事は知っておく必要があると思います。

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より専門性を求めるなら開業がおすすめ

メリット①:より専門的な内容を重点的に力を入れることができる

ある分野に力を入れているという開業診療所もあります。

そのため、例えば繁殖についてもう少し専門的に行っている開業に行って勉強したいという人や、ある先生の下で学びたいという人であれば、開業をおすすめします。

NOSAIから開業へ転職するという人も多くおり、転職する多くの人が5〜10年目までの経験を積んだ獣医師が、より専門性を求めて開業に行くという場合が多いです。

メリット②:廃用の認定など共済業務に関しては行わなくて良い

廃用認定や事故確認などはNOSAI獣医師の重要な仕事ですが、開業の獣医師はこのような共済関係に関する仕事を行わなくても良いです。

この点では、開業獣医師の方がNOSAI獣医師よりも負担が少ないように感じます。

とはいえ、開業獣医師のほとんどが元々NOSAI獣医師であったので、共済業務に関しては熟知している先生がほとんどです。

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デメリット①:人が少ないと休みが取りにくい

一番のデメリットは、開業は人数が少ないところが多く、夜間当番などスケジュールの関係上、休みが取りにくいところが多いと思います。

やはり余裕がなければ、良い診療もできず、精神的にも肉体的にもキツくなってしまうこともあると思います。

デメリット②:同僚が少なく、他の診療スタイルを知る機会が少なくなる

人数が少ない場合が多く、新卒で就職した場合、一人の先輩の診療スタイルしか知る機会がないなどといったことが起こり得ます。

良くも悪くもその先輩と同じ診療スタイルになってしまうため、他の人がどのように診療を行っているか知る機会がほとんどないように思います。

このことからあまり新卒でいきなり開業に行くのは個人的にはどうなのかなと思います。

新卒でも職場に合わなければ、辞めれば良い

小動物臨床の獣医師はもちろんのこと、大動物臨床の獣医師も3年で3割、5年で半分の人が仕事を辞めると言われています。

昔と異なり、日本の終身雇用制度は崩壊していますし、獣医師の世界では転職することごく当たり前のことなので、新卒でも職場に合わなければ、辞めて次を探せば良いと思います。

私の友人でも、もうすでに何人も辞めて、転職しています。

その多くが人間関係で辞めています。

人間関係は個人の考え・力ではどうにもならないことだと思います。

自分で変えようのないことにエネルギーを使うのではなく、他の選択肢にフォーカスするというのはごく当たり前のことであり、転職という選択はいつでも持っているべきだと思います。

ですので、就職先についてあまりシビアに考えすぎない方が良いかもしれません。

コロナ禍で産業動物臨床実習生の受け入れ中止がされている

コロナウイルスのため、多くのNOSAIや動物病院で実習生の受け入れが中止がされています。

このため、令和3年度に引き続き、令和4年度の新卒獣医師の就職先選定も実態を知ることが難しく、就職先に迷われている方も多いと思います。

就職先の選定の役に立てば幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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