獣医学生みんな受かるって言ってるけど落ちたらどうしよう...
私もCBT前にはこのように不安に思っていました。
そんなよくわからないCBTやOSCEを間近に控えて、落ち着かない人もいると思います。
そこで今回は、
- 獣医学共用試験vetCBT/vetOSCEってどんな試験?
- vetCBT/vetOSCEの対策と勉強法は?
と言うことについて、お伝えしたいと思います。
私は現在、産業動物獣医師として働いております。
詳しくは、『【プロフィール】なぜ産業動物獣医師の私がブログを書いているのか?』をお読みください。
獣医学共用試験vetCBT/vetOSCEってどんな試験?
獣医学共用試験とは、NPO法人獣医学教育支援機構が運営している試験です。
獣医学生なら獣医学共用試験であるvetCBTとvetOSCEという言葉は一度耳にしたことはあると思います。
そんな獣医学共用試験とはどのような試験なのでしょうか?
獣医学共用試験ってそもそも何?
獣医学共用試験(veterinary Common Achievement Test : vetCAT)は、獣医学教育課程の学生が参加型臨床実習を受講する前に受ける試験です。全国の獣医学教育を受けている学生が共通で利用する客観的評価試験であり、共に用いることから獣医学共用試験と呼ばれます。
とのことです。
要するに、「高年次の病院実習などで実際に患畜に触れるために、獣医師の仮免許的な試験に合格しておかないといけないですよ。その試験が獣医学共用試験ですよ。」ということです。(一応、産業動物の臨床現場でもこの試験に通っていないと実習で注射などはさせてはいけないということになっています。
そして、獣医学共用試験にはvetCBTとvetOSCEという二つの試験があります。
vetCBTってどんな試験?試験内容とは?
vetCBTとは、
獣医学生が参加型臨床実習を受講するにあたり、一定の獣医学知識を有しているか否かについて、コンピュータを使用した試験vetCBT(Computer-Based Testing)により評価します。
とのことです。
要するに、「vetCBTはパソコンを使った5択の筆記試験」です。
試験内容は以下の通りになります。
1セット | 2セット | 3セット | |
出題範囲 | 導入・基礎獣医学 | 病態獣医学 |
応用獣医学:40問 臨床獣医学:60問 |
合計 | 100問 | 100問 | 100問 |
3セット行われ、それぞれ100問の合計300問の試験になります。
vetOSCEってどんな試験?試験内容とは?
vetOSCEとは、
獣医学生が基本的獣医学技能や動物所有者との基本的コミュニケーション能力を備えていることを、診察技能・態度についての実技試験であるvetOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)で評価します。
ということです。
要するに、「vetOSCEは診療に関する実地試験」です。
試験内容は以下の通りになります。
必修 | 選択 | ||
---|---|---|---|
医療面接 | 伴侶動物 身体検査 |
産業動物 身体検査 |
外科基本技術 (無菌操作または皮膚縫合) |
犬の身体検査 | 牛の身体検査 | ガウン装着 または皮膚縫合・結紮 |
犬と牛の身体検査は必ずやらなくてはならないです。
外科基本技術とガウン装着はそれぞれランダムでどちらかやることとなります。
大学によって違う?vetCBT/vetOSCEの日程とは?
獣医学共用試験は、4年生後期終了時から及び5年生前期終了時にかけて実施されます。vetCBTではランダムに学生間で異なる問題が出題され、vetOSCEでは態度・技能が問われることから、必ずしも全国で統一的な日程を設定する必要はありません。したがって、各大学は参加型臨床実習の開講時期等それぞれの事情に応じて日程を決めています。具体的には、各学期が終了する2月から8月にかけて実施されます。やむを得ない事情で本試験を受けることができなかった学生に対する追試験や再試験の日程も別に用意されます。
CBTやOSCEは4年生後期から5年生前期の間に実施され、大学によって異なる日程で行われます。
vetCBTの問題は、多数のプールからランダムに学生ごとに異なる問題が出題されるため、日程が違っても問題ないということです。
vetCBT/vetOSCEの合格基準と合格率は?
vetCBTの合格基準は原則として60%以上で合格です。
つまり300問中180問以上の正答で合格となります。
1セット全てで60%以上得点する必要はなく、3セットの合計で60%あれば合格となります。
vetCBTはまだ実施されてから日が浅いため、出題プールの中には悪問もあります。
そのため、受験者の正答率が極端に低い問題は不適切問題としてプールから除外されるそうです。
今後、年数を重ねていくうちに出題プールの問題も良い問題が多くなることが期待できます。
vetOSCEの合格基準は4段階評価で不合格にならなければ、合格とのことです。
vetOSCEに関しては合格基準が曖昧なのでよくわかりませんが、ちゃんと言われた通りに行えばまず落ちることはないと思います。
こちらは2019年のCBTとOSCEの試験結果ですが、両試験合わせても969人中4人しか落ちていません。
つまり99%以上合格する試験となっています。
vetCBT/vetOSCEの対策と勉強法について
CBTの試験は決して試験内容が簡単というわけではありません。
正当な勉強の仕方としては、獣医師国家試験とほぼ同様に進めてもらえれば良いと思います。
獣医師国家試験の勉強の進め方に関しては、「【2024年】第76回獣医師国家試験の概要とその勉強法ついて考えてみた Vol.1」をお読みください。
一方で、私もそうでしたが、きちんとCBTの教科書使ったりして勉強できない、する時間がない、という人も多いと思います。
その場合、過去問を中心に勉強していけば必ず合格点に達することができると思います。
CBTは他大学の学生とも連絡を取り合って対策するのが良いと思います。
詳しく言及することはしませんが、とにかく周りと協力し、よく情報を交換して試験対策しましょう。
国試同様に、くれぐれも一人で引きこもって勉強することは絶対にやめましょう。
OSCEは事前にある対策講義に参加しておけば必ず合格できます。
実技試験であるOSCEは時間制限内に終わらなくても、失敗したとしても、手順通りに行っていれば合格します。
以上、簡単ではありますがvetCBTとvetOSCEについてお伝えしました。
最後に口説いですがもう一度、『CBTはとにかく周りと協力し、よく情報を交換して試験対策すること』!
大事なことはこれだけです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
『獣医師国家試験に”落ちる人”の特徴とは?落ちないために注意すること!』では、国試に落ちてしまう人の特徴を書いていますので、反面教師にしてください。
他にも獣医事に関することも書いていますので、もし良ければ他の記事もお読みください。